『エレファントヘッド』刊行に寄せて

9月26日に長編『エレファントヘッド』が刊行されます。

オビで「絶対に事前情報なしで読んでください」と謳っていることもあり、事前に書けることが少ないのですが、執筆の背景について少しだけ書いてみたいと思います。

2022年に刊行した『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』は、謎解きの構造に関するアイディアを中心に据えた作品でした。ぼくはこうした作品が大好きなのですが、一方でこの手の作品は入り組んだものになりやすく、執筆中、もっとシンプルに、磨き抜いたトリックやロジックで読者を驚かせるような作品こそが優れた謎解きミステリーなのではないか、という思いがたびたび湧き上がってきました。

さいわい『名探偵のいけにえ』はさまざまな形で高い評価をいただくことができたのですが、次はよりオーソドックスに、魅力的な謎、ロジカルな推理、意表を突くトリック、といった謎解きミステリーらしい要素で勝負する作品を書きたいと思い、この作品を構想しました。

いざ書いてみると、とてもオーソドックスとは言い難い、むしろいっそう複雑に入り組んだ作品になったような気もするのですが、とはいえ本作は、上記のような謎解きミステリー本来の面白さを屋台骨に据えた作品になったのではないかと思っております。

他にも本作にはいろいろな思いがあるのですが、ネタバレせずに書くのは難しいのでこの辺りにしておきます。読者の方が作中の事件や推理を楽しんでいただけますよう願っています。

今回もときわ書房本店さんの店頭やオンラインストアで購入いただくと、おまけペーパーの『ドッグマン』が付いてきます。こちらもぜひよろしくお願いいたします。

(2023/9/23)

新刊『エレファントヘッド』が刊行されます

角川書店より、2023年9月26日に『エレファントヘッド』が刊行されます。

角川書店では『そして誰も死ななかった』以来、4年ぶりの長編になります。怪しげで素敵なイラストは加藤宗一郎さんが描いてくださいました。

よろしくお願いいたします。

あらすじ
本格ミステリ大賞受賞の鬼才が仕掛ける、空前絶後の推理迷宮。
精神科医の象山は家族を愛している。だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。
謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止!前代未聞のストーリー、尋常ならざる伏線の数々。多重解決ミステリの極限!

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(2023/9/15)

『忌名の如き贄るもの』解説を書かせて頂きました

2023年9月15日に発売される三津田信三先生の『忌名の如き贄るもの』の解説を書かせて頂きました。

文庫解説は初めてだったのですが、刀城言耶シリーズを長年愛読していたこともあり、自分なりにこのシリーズと本作の魅力について書かせて頂きました。

ぜひよろしくお願いいたします。

(2023/9/11)

イベントに出演します

今秋、二つのイベントに呼んでいただきました。

一つ目は2023年9月23日(土)に行われるSRアワード贈呈式です。SRの会の会員投票で決まる2022年国内ミステリ部門ランキングのベスト1に『名探偵のいけにえ』を選んでいただき、トークショーやサイン会をさせていただくことになりました。会員ではない方も参加可能とのことです。

詳しくはこちら

二つ目は代官山蔦屋書店で行われる「ミステリカーニバル」です。二日間にわたって豪華な作家のトークショーやサイン会が行われるイベントで、自分は10/29(日)14:00~のサイン会に参加させていただきます。

スケジュールはこちら

どちらもよろしくお願いいたします。

(2023/9/11)

小説現代に寄稿しました

小説現代(2023年8・9月号)の「聴く百物語」企画に寄稿させていただきました。

よろしくお願いいたします。

(2023/7/21)

『本格王2023』に短編が収録されました

本格ミステリ作家クラブ編『本格王2023』(講談社文庫、2023年6月15日刊)に、短編『モーティリアンの手首』を収録していただきました。

『本格王』は1年間に発表された本格ミステリーの短編から選定された作品を収録するアンソロジーです。豪華な布陣に加え、麻耶雄嵩先生の序文、阿津川辰海先生の解説も付いた、大変贅沢な一冊になっています。

よろしくお願いいたします。

(2023/6/9)

『名探偵のいけにえ』が本格ミステリ大賞に選ばれました

第23回本格ミステリ大賞の小説部門に『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』が選ばれました。

十代の頃からミステリ読者として楽しみにしていた賞に作品を選んでいただき、大変嬉しく、光栄に思います。今後もますます面白い本格ミステリを書けるよう努力していきたいと思います。

(2023/5/13)

ひとひら怪談(町)に寄稿しました

サークル『薄禍企画』が刊行している怪談集の新刊『ひとひら怪談(町)』に寄稿しました。

今回も豪華メンバーに交じって二編書かせていただきました。5月21日開催の文学フリマ東京36で販売される予定です。

(2023/5/9)

WEB別冊文藝春秋のトークライブに出演します

2023年5月1日(月)、WEB別冊文藝春秋のトークライブに出演します。

https://bessatsu-bunshun.com/n/n56c7667c9d29

「ダークミステリーが好き」というテーマで、革新的なリーガルミステリーを書き続けている五十嵐律人さん、伏線とたくらみに満ちた小説の書き手である浅倉秋成さんとお話しさせて頂く予定です。

よろしくお願いいたします。

(2023/4/17)

「ほんタメ」でインタビューして頂きました

YouTubeチャンネル「ほんタメ」で実施している「ほんタメ文学賞」の2022年下半期たくみ部門受賞作に『名探偵のいけにえ』が選ばれたということで、動画に呼んで頂きました。

顔は結合人間にして頂きました。

MCのお二人、スタッフの皆さま、誠にありがとうございました。

(2023/4/17)

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