将棋小説アンソロジー『もの語る一手』が刊行されます
2025年4月7日に講談社より将棋小説アンソロジー『もの語る一手』が刊行されます。小説現代「将棋と小説」特集(2024年11月)の書籍版です。
こちらに短編『誰も読めない』が収録されます。本格ミステリの推理と将棋の読みについて考えて書いた作品です。ぜひよろしくお願いいたします。
(2025/3/25)
文庫版『死体の汁を啜れ』が刊行されます
実業之日本社文庫より『死体の汁を啜れ』が2025年4月4日に発売されます。2021年8月に刊行した作品の文庫化です。

『それでも町は廻っている』『天国大魔境』などの石黒正数先生が四人のキャラクターを描いてくださいました。また解説では、東川篤哉先生にユーモアあふれる文章を寄せていただきました。
ぜひ楽しんでいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
あらすじ
この街では、なぜか人がよく殺される。殺人事件の発生率は南アフリカのケープタウンと同じくらい。そんな牟黒市で見つかる一風変わった死体の謎を追うのは、文字の読めないミステリ作家、深夜ラジオ好きのやくざ、詐欺師まがいの女子高生、事件を隠蔽してばかりの刑事。ミステリ・ランキングを席巻する鬼才が贈る死体大博覧会【EXPO】、開幕!!!
詳細はこちら。
(2025/3/17)
『ひとひら怪談 森にしずみ 水にすむ』が刊行されます
2025年4月18日に掌編ホラー・アンソロジー『ひとひら怪談 森にしずみ 水にすむ』(二見書房)が刊行されます。同人誌として刊行していた『ひとひら怪談』の「水」と「森」をまとめて書籍化したものです。自分は五編を載せていただいています(これのどこが怪談?という感じの話ばかりですが……)。よろしくお願いいたします。
(2025/2/28)
MRCの競作企画「新しい法律ができた」に寄稿しました
講談社の会員制サイト・メフィストリーダーズクラブの競作企画に、掌編を寄稿しました。
「新しい法律ができた」という書き出しでいろいろな作家が掌編を書く、という企画です。自分は『ぜんぶミステリのせい』という話を書いています。よろしくお願いいたします。
(2025/1/27)
『あなたも名探偵』が文庫化します
2025年1月10日に犯人当てアンソロジー『あなたも名探偵』が創元推理文庫より刊行されます。豪華なメンバー(市川憂人・米澤穂信・東川篤哉・麻耶雄嵩・法月綸太郎)に交じって参加させていただいております。よろしくお願いいたします。
(2025/1/6)
STORY BOX 12月号に短編が掲載されました
小学館の電子雑誌STORY BOX12月号(2024年11月10日配信)に短編『ディテクティブ・コスモス』の前編が掲載されています。
「DETECTIVE FICTION」という連作の一編です。後編も近日、掲載される予定です。
(2024/11/10)
小説現代の将棋特集に寄稿しました
小説現代2024年11月号(2024年10月22日刊)の「将棋と小説」特集に、短編『誰も読めない』を寄稿しました。
将棋好きの編集者の方とよく将棋の話をしていたところ、今回の特集に声をかけていただき、いつも通りのミステリで良ければ、ということで参加させていただきました。
よろしくお願いいたします。
(2024/10/21)
『有栖川有栖に捧げる七つの謎』に参加させていただきました
有栖川有栖先生のトリビュート・アンソロジー 『有栖川有栖に捧げる七つの謎』(文春文庫、2024年11月6日発売)に、短編『ブラックミラー』が収録されます。他にも豪華な先生方のトリビュート短編が収録されています。
またこれを記念したトークイベントにも出させていただきます。よろしくお願いいたします。
(2024/10/17)
逸木裕さん『彼女が探偵でなければ』刊行記念イベントに出ます
逸木裕さんにお声がけいただき、10月3日(木)にブックファースト新宿店で行われる『彼女が探偵でなければ』(KADOKAWA)の刊行記念イベントに出させていただきます。
前作『五つの季節に探偵は』がとても読み応えのある謎解きミステリー作品集で、続編を楽しみにしていました。オンライン配信もあるようなので、ご興味のある方はぜひよろしくお願いいたします。
詳しくはこちら。
(2024/9/14)
『ぼくは化け物きみは怪物』刊行によせて
2024年8月21日に光文社から短編集『ぼくは化け物きみは怪物』が刊行されます。光文社ではデビュー直後から小説宝石やジャーロで短編を書かせていただいており、本書で三作目の短編集になります。今回のテーマは「怪物」です。
前二作に続き、浅野いにお先生が素敵なカバーイラストを描いてくださいました。

また今回もときわ書房本店さんの店頭やオンラインストアでサイン本をご購入いただくと特典小冊子が付いてきます。

こちらもよろしくお願いいたします。
ここからは収録作品の執筆背景などを軽く書いてみようと思います。核心のネタバレは避けていますが、執筆の動機からトリックや趣向が類推できてしまうかもしれないので、気になる方は本書を読んだ後にご覧いただければと思います。
最初の事件
ジャーロNo.92掲載作です。前述の通り本書は「怪物」を共通のモチーフとしているのですが、テーマから作品の内容を考えることは基本的になく、作品を書いた後で共通点を見つけている、というのが実際のところです。
ただ本編は唯一、「怪物」というモチーフから着想した作品で、このテーマで一冊にまとめるならこういうのも書いておきたいな、と思い筆を執りました。念頭にあったものの一つが藤子・F・不二雄先生の短編で、これをミステリーでやるならどうするか、ただ設定を置き換えるのではなく、より立体的に謎解きに活用するにはどうすればいいか、といったことを考えました。
大きな手の悪魔
光文社文庫のアンソロジー『Jミステリー2023 SPRING』掲載作です。東野圭吾先生を始めとする錚々たるラインナップに加えていただいたこともあり、こんなことは二度とないはずだから良いものにしよう、と気合いを入れて書きました。
アイディア自体は長年温めていたもので、実は他の機会に提案したこともあったのですが、芳しい反応が得られず(冗談を言っていると思われたのかもしれませんが)、ここでようやく書くことができました。ただ以前の筆力や環境では思い通りに書き切れなかった気もするので、このタイミングで書けて良かったとも思っています。
奈々子の中で死んだ男
ジャーロNo.80掲載作です。あるトリックについて考えていたとき、これとそれを組み合わせればひときわ大きなマジックを生み出せるのでは、と思い立ち、そこから物語をつくっていきました。自分の小説にはあまり出てこない「事件の関係者に一人ずつ話を聞きにいく」場面があり、やはり謎解きミステリーはこうじゃなくちゃ、と胸を躍らせながら書きました。
モーティリアンの手首
ジャーロNo.85掲載作です。本格ミステリ作家クラブのアンソロジー『本格王2023』にも収録していただきました。
本編でやりたかったことは二つあります。一つは、一つの死体を巡って複数人が議論をする、という好みのシチュエーションをじっくり描くこと。最近は多重推理を一捻りしたような作品を書くことが多かったため、この作品では今一度、自分の好きなものの原点に立ち戻ったような感覚がありました。もう一つのやりたかったことはどう書いてもネタバレになってしまいそうなので、ここでは控えておきます。
天使と怪物
書き下ろしです。これもネタバレせずに言及するのが難しいのですが、あるタイプの謎解きミステリーを書いていると、その構造が本質的に持っているいかがわしさ(?)のようなものを感じることがあり、それをそのまま謎解きに組み込むことができないか、といったことを考えて書きました。
以上、奥歯に物が挟まったような表現ばかりでよく分からない文章になってしまったかもしれませんが、各作品の執筆の背景を書いてみました。
読者の方にもぜひ、本書の謎解きを楽しんでいただければと祈っています。
※転載などは行わないようお願いいたします。
(2024/8/19)